UKのヘグリ・レコードから、デジパックでのリリース。カリーネ・ポルワートはスコットランドのバンクノック出身のシンガー・ソング・ライター(SSW)で、スティーヴ・バーン、マーク・ダンロップ等とともに98年にマリンキーを結成、2枚のアルバムをリリース後脱退し、03年にソロ活動に転じた。本作は、07年にリリースされたサード・アルバムで、メンバーは、カリーネ、カリーネの従兄弟のスティーヴン・ポルワート、キム・エドガーの3人、マッティー・ファウルズとカリーネの共同プロデュース。基本的には、スコットランドのトラッド・チューンを中心に取り上げたトラッド集アルバムで、アコースティック・ギター、バンジョー、ピアノ、ハーモニウム等による、非常にシンプルですっきりとしたアンサンブルに、カリーネの澄んだボーカルがよく映える。カリーネのシンギングは、それ程技巧的には聴こえずあっさりと歌っているようで、ある種のクールさとくぐもり感が心地好い空気感を放っているが、語尾の歌い回しや声のトーンの変化などけっこう細かいところで色々やっていて、さりげなく侮れない。全体に、『主役は曲で自分達は前に出ない』や、『市井の民衆のデモーニッシュな情感』など、オーセンティックなトラッド感が担保されており、淡々と簡潔なサウンドに緊張感と哀愁が滲み出る。曲によってメインをギター、ピアノ、ハーモニウム等で使い分けるバックも上等で、BBCラジオの「レディオ・バラッズ・シリーズ」の為に書き下ろした唯一のオリジナル曲(9曲目)も含め、しっとりと美しい文句なしの好盤と思う。
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輸入盤/デッドストック入荷
(Folk&Folk Rock/Trad,SSW,Folk/ Digi-Pack CD(2007) / Hegri Records/UK)