スペインのソニー・ミュージックから、限定アナログLPでのリシュー。フシオーンはバルセロナ出身のグループで、マヌエル＆ホルディ・カンプ兄弟が中心となって70年代初頭に結成されている。本作は、75年にスペインのアリオラからリリースされたサード・アルバムで、2019年11月のRSD(レコードー・ストア・デイ)企画リシュー盤。メンバーは、カンプ兄弟、マルティン・ブルネート、サンティ・アリサの4人編成で、サイケ／アート・ロック色が強かった前2作のアート・ロック的要素をある程度を担保しつつも、クラシック色内包のジャズ・ロック的要素とRIO系チェンバー・ロック的要素、現代音楽色内包のエクスペリメンタル的要素が交叉する、ちょっと独特のサイケ・プログレ調サウンドを展開。LP旧A面1曲、B面2曲の長尺曲ばかりで、どれも場面転換が多いがかといってせわしいわけではなく、個々の部分的なパートはわりとメロディアスで聴きやすいが全体としては流れないという、ある種の難解さと変テコなハミ出し感十分。常にどこか宙に浮いたようなコード進行とフレーズが入る楽曲は、それでも結果的にはちゃんと収まりを見せ、イタリアン・プログレ方面に通じるヘヴィなアンサンブルは、バンド感があってノリもよくけっこう素直にカッコいい。メロトロンの妙な使い方も含め、一捻りある面白い好盤と思う。本作後バンドは解散、アリサはイセベルグのマックス・サンヤー等と共にペガサスを結成、マヌエルは映画音楽の作曲の他、弟のホルディと共に自身のトリオやクァルテットで活動、ブルネートはメルカド・ネグロへ。ドイツ・プレス盤
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(Progressive/Psyche,Art Rock,Jazz Rock / Vinyl LP(2019) / Sony Music/Spain,German)
