中国のイーティング・ミュージックから、限定アナログLPでのリシュー。テクスチャー・エンボス紙スリーヴ。フィッシュドールは、北京出身のシンガー・ソング・ライター(SSW)兼エレクトロニクス奏者のユーユー・フェンのソロ・ユニット名で、5歳からクラシック教育を受け、14年からは渡米してニューヨークのニュースクール大学でジャズを学び、卒業後の18年にファースト・アルバム「ヌーンセンス」を制作した。本作は、22年にリリースされたセカンド・アルバムで、メンバーは、ボーカル＆エレクトロニクスのフィッシュドールを核に、曲によってクィンシー・メイズ、ショーン・マクガールが適時参加。概ねアンビエント・エレクトロニクス方面で括れる感じだが、ニュースクール大学時代にジャズ・ボーカリストとしても活動していたというソウルフル＆ジャジーなシンギングと、エレポップ色を内包しつつも絶妙にノイジーなアブストラクト感が担保されたバックが、ともかくも非常にいい塩梅のマッチングを見せる。ミドルテンポの落ち着いたリズムが多く、ソウル調と中国調が同居するエレガントな楽曲とメロディ、ピアノやエレピ、ストリングス等(のサンプリング)も含め濃密でよく練られたエレクトロニクス・アンサンブルが交叉。全体にしっとりと涼やかで、凝ったアレンジのアンビエント・ポップ調サウンドスケープと、柔らかい中国語ボーカル＆ハーモニー・コーラスのハマりも上々。背後にはプログレ的サイケ感も見え隠れする印象で、流していてとても心地好く、かなり独特のディープなサウンドを堪能出来る好盤と思う。台湾のグラフィック・デザイナー、ヨーウェンの手によるスリーヴも素敵。
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輸入盤／限定プレス
(Psyche/Electronics,Ambient,Soul,Progressive / Vinyl LP(2022) / Eating Music/China)
