USAのドラッグ・シティから、限定アナログLPでのリリース。180g重量ヴィニール使用のLP盤で、見開きスリーヴ仕様の3枚組ボックス・セット。ジョアンナ・ニューサムは、カリフォルニアのネヴァダ・シティ出身の女性シンガー・ソング・ライター(SSW)で、02年と03年に自主制作盤を2枚リリース後、ドラッグ・シティからデビューした。ハープ弾語りスタイルを基調に、ケイト・ブッシュとビョークの狭間を行く感じの、アシッド・フォークとプログレの独特のハイブリッドなサウンドを展開する稀有なアーティスト。本作は、10年にリリースされたフィフス・アルバムで、前作でもその萌芽はあったが、本作の佇まいはほとんどケイト・ブッシュといった印象。ジョアンナのハープとピアノの弾語りを中心に、曲によってチェンバー・アンサンブルやリズム隊が入るのだが、何よりボーカルがとても上手くなっていて、豊な表現力と見事なトーン・コントロールで、圧倒的な存在感を放っている。ケイトの「アーミー・ドリーマー」みたいな「'81」、少しゴスペル的哀愁のある「小さなカバノキ」、ボーカルが盛り上がりが圧巻の「カリフォルニアで」、ハープとタンブーラ&マンドリンのアンサンブルが見事な「ゴー・ロング」等々、ともかくも美しい佳曲が多く心に染み入る。全体に、トラッド、ポップス、サイケ、クラシックがミックスされた楽曲も、ハープも含めたダイナミズムのあるチェンバー・アンサンブルも、かなり初期のケイト・ブッシュを彷彿させるものがあって、この濃密な空気感とエレガントな雰囲気、くぐもり感と透明感が同居する美しさは、完全に唯一無比の非常に上質な大好盤と思う。本当に素晴らしい!。
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輸入盤/デッドストック入荷
(Acid Folk/Psyche,Folk,Chamber,Progressive / 180g Vinyl 3LP Box(2010) /Drag City/USA)