イタリアのヴィニール・マジックから、デジパックでのリリース。セミラミスはおそらくローマ出身のグループで、マウリツィオ・ザルリッロ、マルチェッロ・レッダヴィデ、メンモ・プルヴァーノの従兄弟同士の3人が中心となって70年に結成されている。本作は、24年にリリースされたセカンド・アルバムで、確か邦題は「終わりは存在しない」。13年の再編以降、73年ファースト「フラッツに捧ぐ」の17年再現ライヴを収録した「フラッツに捧ぐ：ライヴ」をリリースしたが、スタジオ作品としては73年のファースト「フラッツに捧ぐ」から実に51年振りのアルバム。メンバーは、唯一のオリジナル・メンバーのパオロ・ファエンツァ、再編ライヴ時からのイヴォ・ミレトに、ジョヴァンニ・バルコ、マルコ・パルマ、エマヌエーレ・バルコ、ダニエーレ・ソレンティを加えた6人編成。概ね、「フラッツに捧ぐ」を継承した、RDMのサードやRRR方面のヘヴィ・シンフォニック調プログレなのだが、オザンナやムゼオ・ローゼンバッハ方面のハードネスやダーク感も加味されていて、日本のイタリアン・プログレ愛好家にはわりと期待通りというか予想通りの仕上がりかも知れない。イタリア然とした暑苦しいボーカル、ヘヴィなギター・リフ＆フレーズ、オルガン＆シンセを軸とした分厚いキーボード群を核に、曲によってフルートやヴィブラフォン、アコースティック・ギター等を適時絡め、メロディアスなパートとハードなパートを畳み掛けるアレンジでグイグイ押してくるスタイル。再編後に他界してしまったザルリッロとジャンピエロ・アルテジャーニの、2人のオリジナル・メンバーに捧げられていて、その意味では「フラッツに捧ぐ」を意識した部分はあったのだと思うが、単なる追従には終わらず、ちゃんと新しいメンバーなりのサウンド・メイキングになっていて、けっこう楽しめる好盤と思う。
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輸入盤
(Progressive/Heavy Symphonic / Digi-Pack CD(2024) / Vinyl Magic/btf.it/Italy)
