スペインのゲッセン・レコードから、23年新規リマスターでのリシュー。ヴァラはボリビア出身のグループで、アルシデス・アルゲダスの小説群をモチーフに、『メスティソ・クリオージョ層の都市文化とインディヘナ層の山岳文化の融和』という理念を表現する試みとして結成されたらしい。ヴァラというグループ名も、アルゲダスの小説「ヴァラ・ヴァラ」由来のようだ。本作は、73年にボリビアのディスコス・エリバからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、ナタニエル・ゴンザレス、カルロス・ダサ、ペドロ・サンヒネス、オマル・レオン、ホルヘ・クロネンボルドの5人編成を基本に、曲によってヴァイオリン、チェロ、フルート、オ−ボエ等の管弦チェンバー隊や、サウンド・エフェクト等のゲスト参加がある。概ねヘヴィ・シンフォニック・プログレというか、南米的サイケ感のあるハード・プログレといった感じのサウンドで、情熱的なハイトーン・ボーカル、ファズの効いたブルージーなギター、オルガン軸のキーボード群、堅実でわりと太い音のベース、せっかちで手数の多いドカスカ系のドラムに、時折ギスギスしたヴァイオリンやリリカルなフルートは絡む演奏は、わりとイタリアン・ロックにも近似する印象。楽曲は時々ハード・ロック調になったりもするが、全体にディープ・パープルやユーライア・ヒープ調のベタに盛り上がるタイプのマイナー進行が多く、ダークという程ではないが重々しさが漂っていて、場面転換の多いプログレ的アレンジの組曲的展開はけっこう聴き応え十分。演奏はそれ程上手いわけではないが、随所に盛り上がる昂揚感があってカッコいいフレーズも多く、南米独特の臭みとヨレが味わい満点の好盤と思う。
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輸入盤
(Progressive/Heavy Symphonic,Psyche,Hard / Jewel-case CD(2023 Re-master) / Guerssen Records/Spain)