カナダのプログケベック／ムジーク・プログレッソンから、16年リマスターでのリシュー。多分初CD化。メイルストロムは、カナダのケベック州モントリオール出身のグループで、コンセルヴァトワールの音楽科の学生達が71年に結成したウェイ・アウトを母体としている。74年にメイルストロムに改名、アマチュア・バンドながらPFMやVDGG等の北米ツアーでケベック州の前座を務め、76年に本作をレコーディングしたが、A&M等のレコード会社との折合いがつかず結局オクラ入りとなって、78年頃には解散したようだ。本作は、前述の通り初公開の未発表アルバムで、メンバーは、ドゥニ・ポリキン、ジャック・モンミニュ、ロベール・レピーヌ、ジャン・ヒュードン、ジェラール・マッセの5人編成。例えば、マネイジュ辺りからジャズ色を抜いて、もっとシンフォニック・プログレ寄りにしたようなサウンドを展開していて、ヴィブラフォン＆マリンバを核としたジャズ・ロック色と、ギター、オルガン＆エレピを中心としたシンフォニック色が妙なバランスで交叉。巷で囁かれている程のイエス色は感じられないが、時折ジェントル・ジャイアント的な変拍子リフやコーラスをカマせたアレンジや、カンタベリー的な可愛らしさのある楽曲は、どこかハミ出し感があって面白く、方向感の定まらない煮え切らなさも個性と呼べる範疇。概ねソツがなくて上手い演奏は、フランス語ボーカルのもったり感も含め疾走感や炸裂感には欠ける感じではあるが、畳み掛ける系の楽曲やアレンジも元々ノリのよさで持っていくタイプではないという印象。結果としてプログレ愛好家はけっこう楽しめる好盤と思う。
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輸入盤／デッドストック入荷
(Progressive/Symphonic,Jazz Rock,Canterbury / Jewel-case CD(2016 Re-master) / ProgQuebec/Canada)
