デンマークのアジュール・ヴィスタ・レコードから、見開きデジスリーヴでのリリース。ビロウ・オブザーヴァトリーは、デンマークのオーデンセを拠点とするヨナス・ムンク(ex.マニュアル,カウサ・スウイ,etc)と、ミシガン州デトロイトを拠点とするジェイソン・コルブ(ex.オーバーン・ラル,etc)が、06年頃に新たに結成したデュオ・ユニットで、お互いのスタジオから大西洋を隔てて、マテリアル音源をメールでやり取りしながら制作しているらしい。本作は、19年にリリースされたサード・アルバムで、メンバーはムンクとコルブの2人、プロデュースも兼任。概ね、前作の延長線上にある、アナログ・シンセ、ギター、エレクトロニクスによるアブストラクトなドローン・アンビエント調サウンド変わらずだが、ノイズ・フラグメント的なリズムやパルスのスタッターが洗練されて来ているというか、けっこうCのクラスターやローデリウス方面のニュアンスが内包されているような印象。というのも、ドローン感や淡い情感はほぼそのまま担保されていて、スタイリッシュなエレガントさもそのままに、スタッターの可愛らしさが増して少し饒舌になっているというか、無機質さと有機質さのあわいをいく感じの微妙なニュアンスが、非常にいい塩梅のモアレ感を演出。前作よりは動きがあって晴れやかな感じで、メロディらしきフラグメントも浮遊しているが、全体のサウンドスケープはあくまでドローンに収束していて、結局テイストはそれ程変わっていない。このソフィスティケイトされたジャーマン・サイケ感は存外に面白く、流していて心地好いグッド・トリップ系の好盤と思う。素敵!。
輸入盤/デッドストック入荷
(Psyche/Drone,Ambient,Electronics / Digi-Sleeve CD(2019) / Azure Vista Records/Denmark)