ノルウェーのカリスマ・レコードから3面開きデジパックでのリリース。ビッグ・ロボットは、ペール・ショーバルグとオッリス・クリステンセンを中心とするテクノ／エレクトロニクス・ユニットで、オスロを拠点に活動しているようだ。コンラッド・シュニッツラーはデュッセルドルフ出身のエレクトロニクス奏者で、何よりタンジェリン・ドリーム、Kのクラスターを経て、その後のソロ活動でも知られるジャーマン・エレクトロニクス／クラウト・ロック系のビッグ・ネームの1人。本作は、09年にリリースされた共作アルバムで、おそらくビッグ・ロボットとしてはファースト・アルバム。メンバーは、ショーバルグ、クリステンセン、ヨアキム・ランゲラントのビッグ・ロボットの3人に、適時シュニッツラーが加わった4人編成で、シュニッツラーの「コカ」をリメイクした2曲目「コカ・コール」辺りが発端となって、シュニッツラーの参加へと至ったのかも知れない。概ね、ダーク・アンビエント色内包のエレクトロニクス方面で、テクノと呼べるほどリズムは強調されてないが、ミニマル的リズム・フラグメントが随所で現れては消えていき、その中にノイズ・マテリアルを基調としたキテレツの音像が浮遊する、ちょっと独特のサウンドスケープを展開。全体を覆うアブストラクトな無機質感や閉じたスペイシー感、ミクロの世界的イメージのある種の気色悪さは、結局いかにもシュニッツラー的という印象で、どこまでがビッグ・ロボットの個性なのかは計りかねる部分もあるが、エキセントリックな音像群が結果としてドローンに収束していく感じは、ともかくも正しくサイケで面白い。シュニッツラーやメビウス方面のエレクトロニクス系愛好家はまずもって楽しめると思う。
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輸入盤／デッドストック入荷
(Psyche/Electronics,Experimental / Digi-Pack CD(2009) / Karisma Records/Norway)
