スウェーデンのフラウド・ジェムスからのリシュー。特にリマスター表記はないが、音質はクリアで迫力もあってよい。エドワード・ベアーはカナダのトロント出身のグループで、67年にラリー・エヴォイとクレイグ・ヘミングが中心となって結成されている。本作は、69年にカナダのキャピトルからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、エヴォイ、ダニー・マークス、ポール・ウェルドンのトリオ編成、リッチー・ヨークとポール・ホワイトの共同プロデュース。ビートルズ的なポップネスを放つアート・ロック系サイケ・ナンバーを前半に、ヘヴィなハード・ブルース系ナンバーを後半に配置した、サイケ、プログレ、ブルースのハイブリット・サウンドを展開。ギター、オルガン、ドラム＆ボーカルのベースレス変則トリオだが、ギターとオルガンがともかくも達者で、派手ではないがノリのよいドラムも含め、アンサンブルは分厚くバンド感も十分。また、殊の外オルガンのベース(おそらく左手とペダル)が効いていて、それを軸とした全体のグルーヴが粘っこく、特に後半のブルージー・ナンバー群の濃密さはかなりのもので、ストレートにツボにハマる演奏は非常にカッコいい。ボーカルも適度に涼やかでスッキリしていて、このアート・ロックとブルースの同居感は、例えばアンドウェラ／アンドウェラズ・ドリームからスワンプ色を抜いて、より演奏を上等にしたような印象ともいえるかも知れない。前半のアート・ロックも上等だが、やはり後半のグルーヴィーなハード・ブルース群が素晴らしく、上等なブルース・ギターとハモンド・オルガンを堪能出来る好盤と思う。カッコよし！。
輸入盤
(Psyche/Blues,Pops,Art Rock,Hard / Jewel-case CD(2012) / Flawed Gems/Sweden)
