USA/EUのデルモア・レコーディング・ソサエティから、デジパックでのリリース。カレン・ダルトンは、テキサス州ボーナム生まれ、オクラホマ州イーニッド育ちのホワイト・ブルース＆フォーク・シンガーで、60年代初頭にグリニッジ・ヴィレッジに移住、フレッド・ニール、ボブ・ディラン、ホーリー・モダル・ラウンダーズ等と活動した。ハスキーなしゃがれ声と独特の歌い回しからフォーク版ビリー・ホリデイと呼ばれ、69年と71年の2枚のアルバムをリリース、その後結婚して半引退状態だったが、93年にエイズの感染症で他界している。本作は、63年のライヴ音源を収録した発掘ライヴ盤で、22年RSD(レコード・ストア・デイ)企画でのリリース、新写真、クリス・ニーズのエッセイ等掲載の24ページ・ブックレット入、オビ付の限定プレス。メンバーは、カレンとリチャード・タッカーのデュオ編成で、プロデュースはマーク・リン。当時2人はコロラド州で同棲していて、デンヴァーや周辺エリアでちょこちょこライヴを行っていたそうで、本作は18年に発見された63年1,2月の3つのコンサート音源からのセレクトを収録したもの。概ね、弾語り調のギター、12弦ギター、バンジョーの枯れたアンサンブルに、カレンのルーズ＆アンニュイなシンギングが粘っこく流れ、タッカーのハーモニー・コーラスや口笛が時折絡むスタイル。このダラダラと酔っぱらっているようなゆらぎや、気怠さと木漏れ日感の同居するスワンプ色は、例えばこの後の浅川マキ辺りにも繋がっていく印象で、この人を聴く度に感じることだが、ともかくも呑んだくれ感十分の酒に合う好盤と思う。
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輸入盤
(Folk&Folk Rock/Blues,Swamp,R&B/ Digi-Pack CD(2021 Re-master) / Delmore Recording Society/USA,EU)
