(中古/USED CD):92年のフランス・スパラックス盤/輸入盤・廃盤
(状態/CONDITION):SLEEVE=A / DISC=A
マヤ文明の聖典の名を冠するポポル・ヴーは、フローリアン・フリッケを中心に69年にミュンヘンで結成された。古代宗教&東洋思想的神秘主義を内包する、非常に特異なスピリチュアル音響系サウンドを展開した稀有なグループ。本作は、76年にドイツUAからリリースされたセヴンス・アルバムで、確か邦題は「最後の日、最後の夜」。メンバーは、前作からのフリッケ、ダニエル・フィッヒェルシャーに、新たに元アモン・デュール・セカンドのレナーテ・クナウプを加えたトリオ編成。レナーテのボーカルは、ヨン・ユンに比べてクッキリとした印象だがそれ程出番は多くなく、ちょっと東洋的でサイケがかったリフをクリア・トーンで展開するリバーヴ過剰気味のギターと、そのギターの盛り上がりを的確にフォローするドラム、リバーヴのかかり具合がわりといい塩梅の流暢なピアノを軸とした、独特のアコースティックな響きのシンフォニックなプログレ調サウンドに仕上がっている。全体に、殊の外メロディアスで壮大な印象の楽曲が多く、神秘的ではあるが呪術的ではない、スリーヴのイメージのように晴れやかで聴きやすい涼やかさに収束。本作も含めた70年代中期は、フィッヒェルシャーのギター&ドラムが前面に出ている時期だが、その中でも本作の力強いアンサンブルはわりと素直にカッコよく、淡い哀愁を内包した楽曲のよさも手伝って、わりと濃密で手応え十分の好盤と思う。タイトルは「最後の日、最後の夜」だが、夜ではなく夜明けや昼をイメージさせられる、牧歌的で中世絵画的構図のスリーヴも素敵。
輸入盤
(Progressive/Psyche,Symphonic,Meditation / Jewel-case CD(1992) / Spalax/France)