(中古/USED CD):95年のUSAキュニフォーム・レコード盤/輸入盤・廃盤
(状態/CONDITION): SLEEVE=A- (黄ばみ感少) / DISC=A
スティーヴ・ティベッツはウィスコンシン州マディソン出身のギタリストで、12弦&エレキ・ギターを駆使して、エレクトロニクスや民族音楽的リズムを絡めた、ロック、ジャズ、エスニック・ミュージック等のハイブリット・サウンドを展開する面白い存在。現在もミネアポリスを活動拠点に、主にECMレーベルから作品をリリースし続けている。本作は、77年にプライヴェート・プレスの自主制作盤としてリリースされたファースト・アルバムで、95年初CD化盤。メンバーは、ギター、シンセ、ベース、エレクトロニクスのティベッツを軸に、曲によってティム・ウェインホールドのパーカスが入る。独特の流体インスト・プログレというか、非常に美しい音色の12&6弦アコースティック・ギターのアルペジオも、テープ・エフェクトと絡めたシンセのうねりも、流暢だが引っ掛かりとヨレのある特徴的なエレキ・ギターのコンニャク高速パッセージも、一瞬たりとも同じ場所に留まっていない『流れる』というイメージに収束していく印象。それは水であれ風であれ、もしかして宇宙であれ、人智を超えた自然現象への共感と畏怖を伴って、聴き手の周りを渦巻きながら包み込むような感覚で迫ってくる。一方で、瑞々しくてカラっとした心地好い浮遊感を放っていて、後のECM作品群に比べるとまだ荒削り感はあるが、適度なSF的雰囲気の文学性も含めけっこうな好盤と思う。ともかくもこの人は面白い。
輸入盤
(Progressive/Psyche,Electronics,Crossover / Jewel-case CD(1995) / Cuneiform Records/USA)