(中古/USED CD):01年のドイツ・ミル・プラトー盤/輸入盤・廃盤
(状態/CONDITION):SLEEVE=A-- (スレ&クタビレ感有) / DISC=A
トーマス・ケーナーはボーフム出身のエレクトロニクス奏者兼メディア・アーティストで、ドルトムント音楽カレッジやアナハイムのCEMスタジオで電子音楽を学んだ後、90年にゴング音をエレクトロニクス制御したファースト「ヌナタク・ゴンガムル」をリリースした。その後も主たるテーマとして極北エリアのランドスケープを想起させる低音ドローン・アンビエント・サウンドを追求している。ソロ活動と並行して、エクスペリメンタル・オーディオ・リサーチへの参加やビル・ラズウェルとの共演の他、ダブテクノ系リスナーにはポーター・リックスでの活動でも知られているかも知れない。本作は、02年にリリースされたソロ名義エイス・アルバムで、01年4月にドイツのオスナブリュックで開催されたヨーロッパ・メディア・アート・フェスティバルでのライヴ音源を収録したもの。全編ケーナーのエレクトロニクスによる静謐な低音ドローン・サウンドで、遠くで風が鳴り続けているような低い波動のエレクトロニクス音が、ゆったりした揺らぎでシークエンスしていく、独特の静的ドローン・アンビエントを展開。異なるピッチのシンセのホワイトノイズ的フラグメントが、スロー再生のオーロラのように織り込まれていく感じは、まさに雪の降り積もる広大な風景を彷彿させられるモノトーン感十分で、特に北海道の郊外や田舎の冬の晴れた日のイメージに実感としてよく馴染む。ただただ時間感覚が滲んで無になっていく感じは、正しくサイケでヒプノティックに心地好く、優れて瞑想的なドローン・サウンドスケープの好盤と思う。尚、タイトルのダイカンは日本語の「大寒」のことらしい。フランス・プレス盤
輸入盤
(Psyche/Drone,Electronics,Ambient / Digi-Pack CD(2001) / Mille Plateaux/German,France)